雨樋の修理・交換の費用相場は?劣化症状と長持ちさせる対策方法


雨樋(あまどい)は屋根に降った雨水を緩やかに排水し、建物の外壁や基礎が傷むのを防ぐ役割を担っています。
しかし、常に風雨にさらされているため、経年劣化は避けられません。
雨樋の劣化や不具合が起こると高いところから雨水がボタボタと落ち、外装が傷んだり、雨音が気になったりというリスクがあります。
そのため、定期的なメンテナンスや寿命が過ぎた場合は交換が必要です。
本記事では雨樋の劣化症状から具体的なメンテナンス方法、修理や交換にかかる費用相場、コストを抑える方法まで詳しく解説します。
雨樋の劣化が気になってきたら、ぜひ参考になさってください。
雨樋の劣化症状
雨樋の劣化は段階的に進行します。劣化が軽度な状態で対処しておくことで大規模な修理を避けることができます。
ここでは3段階に分けて雨樋の代表的な劣化症状を紹介します。
初期段階の劣化症状
色あせ・変色


紫外線の影響により、雨樋の表面が徐々に色あせてきます。特に南側に設置された雨樋は日光を多く浴びるため、劣化が早く進みます。
支持金具の緩み


雨樋を固定している金具が緩むと雨樋が傾いたり、最悪の場合は外れてしまうこともあります。固定している外壁材の劣化やビスの緩みによって固定力が低下します。
中期段階の劣化症状
継ぎ目の緩み・外れ


年月が経つにつれ、雨樋の接合部分が接着剤の劣化や建物の微細な動きによって緩んでくることがあります。隙間が大きくなると雨が降ったときに継ぎ目から水が漏れ出すようになります。
雨樋の歪み・たわみ


雨樋本体が重力や積雪の重みで変形してしまう症状です。特に長尺の雨樋では支持金具の間隔が広い部分で発生しやすくなります。雨水がスムーズに流れなくなり、一箇所に溜まるようになります。
詰まり・オーバーフロー


落ち葉や枯れ枝、土砂などが堆積して雨樋が詰まります。詰まった状態だと多くの雨が降ると排水能力を超え、水が溢れ出すようになります。そうなれば外壁に雨水が直接かかり、建物にダメージを与えます。
支持金具の腐食・破損


雨樋を固定している金具がサビたり、破損したりします。金属製の金具はサビによる劣化、樹脂製は紫外線による脆化が主な原因です。金具が弱ると雨樋全体が不安定になります。
深刻な劣化症状
穴あき・破損


雨樋に穴が開いたり、大きく破損したりする症状です。金属製の雨樋ではサビによる穴あきが、樹脂製ではひび割れの拡大や衝撃による破損が多く見られます。雨が降ると明確に水が漏れ出します。
雨樋の脱落


支持金具の破損や雨樋本体の劣化により、建物から外れてしまう状態です。強風時や積雪時に発生しやすく、非常に危険な状態です。近隣への被害も懸念されるため、早急な対応が必要です。
雨樋を長持ちさせる対策方法と費用相場
雨樋は日常的に点検をしたり、対策を取ったりすることでトラブルを避け、寿命を延ばすことができます。
「何か起こってから」ではなく、「何か起こらない」よう、予防をして修理費用や交換費用を抑えましょう。
年に1~2回の点検


年に1~2回程度、春と秋に地上から雨樋の状態を確認しましょう。変形やひび割れ、支持金具の状態などをチェックします。
落葉樹の近くに建つお住まいでは、秋から冬にかけて落ち葉が雨樋に溜まりやすくなります。
雨の日の観察も有効です。雨水が正常に流れているか、継ぎ目から水漏れがないか、オーバーフローしていないかを確認しましょう。
点検が難しい場合や気になる点がある場合は無料点検をしてくれる業者に相談することをおすすめします。
詰まりの除去


ご自身で雨樋を清掃する場合、高所の作業は控えましょう。高いところにある雨樋を掃除して落下事故に繋がるケースは少なくありません。
また、意外と汚れが飛散するので、近隣に迷惑をかけてしまうこともあります。
そのため、ご自身での清掃は縦樋という縦長の部分を下からホウキやトングを使ってゴミを掻き出しましょう。
高所の作業は雨樋修理などを行っている業者が対応してくれます。業者なら安全装備を整え、近隣への飛散を防ぐよう配慮し、効率的かつ安全に作業できます。
清掃費用は一般的な戸建て住宅だと約1万円~3万円程度で、作業時間は1〜2時間が目安です。
落ち葉除けネットで詰まりを予防
雨樋に専用のネットやカバーを設置することで、落ち葉や鳥の羽、ゴミなどの侵入を防ぐことができます。特に樹木の近くに建つお住まいでは効果的です。
設置費用は1mあたり約1,000円~2,000円が相場です。設置の際は雨樋修理を行っている業者に相談しましょう。
頻繁に詰まり除去を行うよりも落ち葉よけネットを設置した方がトータルコストの削減に期待できます。
雨樋塗装


金属製の雨樋や支持金具は定期的に塗装を施すことでサビを防ぎ、寿命を延ばすことができます。新しい塗料を塗るため、見た目もキレイになりますし、色を変えれば気分転換にもなるでしょう。
塗装時期は約10年~15年ごとの塗装が目安で、大体そのくらいのペースで塗装の効果が低下します。
塗装費用は規模にもよりますが約5万円~15万円程度が相場です。
雨樋修理方法と交換の費用相場
雨樋に不具合が見られる場合はできるだけ早めに修理をすることで修理費用を抑えることができます。
また、雨樋の寿命が過ぎた場合はそのままにしておくと雨水が正常に排水されず、建物に負担をかけるので部分交換・全交換をしましょう。
ここでは修理・交換が必要になった場合の施工方法と費用相場について詳しく解説します。
なお、費用は使用する材料や施工範囲によって異なるため、あくまで目安程度になさってください。
軽度の劣化の補修方法


小さなひび割れや雨樋自体に問題がなく、支持金具にのみ不具合が起こっている場合は補修や金具の交換だけで解決できるケースが多いです。
シーリング材や補修テープによる部分修理
費用相場:約5,000円~10,000円/箇所
小さなひび割れや継ぎ目の隙間はシーリング材などで補修できる場合があります。
シーリング材とは防水性や気密性に優れた、ゴム状の建築材料です。
外壁の継ぎ目やキッチン周りにも使われており、隙間を埋めて水や空気の漏れを防ぐのに役立ちます。
支持金具の交換
費用相場:約3,000円~5,000円/箇所
雨樋本体に問題がなくても、支持金具が劣化している場合があります。
金具だけの交換で済めば、比較的低コストで修理可能です。
もし、全ての金具の交換が必要な場合は一般的な大きさのお住まいで約10~20万円が相場です。
破損や歪みは雨樋部分交換・全交換


雨樋が大きく破損している場合や歪んでしまった場合はその部分、または全ての雨樋を撤去して一新させる必要があります。
費用はかかりますが、放置すると雨樋の他の部分にまで被害が広がるので、早めに対処をしましょう。
部分交換
費用相場:約30,000円~80,000円/箇所
破損した箇所周辺の雨樋に問題がなければ、部分交換が経済的です。
費用には既存雨樋の撤去費用、新規雨樋の材料費、取り付け工事費用などがかかります。
詰まりや雪の重みで雨樋の一部分だけに不具合が起こっている場合は全交換ではなく部分交換をおすすめします。
ただ、製造年が古い雨樋の場合、同じ製品が廃番になっている可能性もあります。
部分交換する雨樋が入手できない場合は全交換となるでしょう。
色違いでも同じ雨樋を入手できれば、部分的に色が異なるか、塗装をすれば新旧で違いを分からなくできます。
全交換
費用相場:約35万円~75万円(30坪の戸建て住宅の場合)
雨樋が寿命を過ぎている場合や、既存雨樋が廃盤になっているなどを理由に部分交換ができないというケースでは雨樋を全て撤去して新規雨樋を設置します。
複数の箇所で破損やひび割れが発生している場合は部分交換を繰り返すよりも、全交換の方が結果的に経済的になることがあります。
費用は施工範囲や素材によって大きく変動します。
例えば一般的な大きさの戸建て住宅で、設置する雨樋が塩化ビニル製の場合は約35~60万円。
さらに耐久性の高いガルバリウム鋼板製の場合は約45~75万円です。
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雨樋修理や交換にかかる費用を抑える方法
雨樋のメンテナンスにかかる費用はできるだけ安く抑えたいですよね。
とは言え、材料のグレードを下げたり施工範囲を狭めたりしてコストを抑えようとすれば、再度不具合が発生して工事費用がかさむ恐れがあります。
ここでは工事の質を下げなくても費用を抑える方法を紹介します。
火災保険の活用


火災保険は火災以外にも自然災害による雨樋の被害も補償してくれる場合があります。
一般的に台風や突風、大雪などによる雨樋の破損は火災保険の対象となるケースが多いです。
実際に適用されるかどうかは被害内容やご加入されている保険プランによって異なるため、保険証券や保険会社に連絡をして確認しましょう。
2社以上から見積もりを取る


雨樋の工事は「どの業者に依頼しても同じ」ではありません。
業者によって調査方法、提案内容、費用、施工技術、対応の良し悪しは全く異なります。
多少の手間はかかりますが、相見積もりを取り、比較検討されることをおすすめします。
ただし、極端に安い見積もりにはご注意ください。
相場からかけ離れている場合は手抜き工事や後で追加の費用を請求される恐れがあります。
相場通りでない場合はしっかりと納得できる理由があるかどうかを確認し、不安な点がある場合はすぐに契約はせず、別の業者など第三者にもご相談ください。
地域密着店や自社施工店に相談する


特定の地域に特化して事業を展開している地域密着店は大手ハウスメーカーと比べて広告宣伝費や運営コストが抑えられていることがほとんどで、その分、価格設定がリーズナブルである業者が多い傾向にあります。
また、大手業者だと実際に施工をするのが下請けや孫請けであることが多く、中間マージンという余計な費用をお施主様が負担しなければなりません。
自社の職人が工事をする自社施工店に相談すれば、中間マージンがかかりません。
雨樋のことなら『住まい修繕本舗さいたま』にお任せを!


お住まいを雨水から守っている雨樋は定期的に点検とメンテナンスを行うことで大規模な修繕を避けることができます。
「雨の日にボタボタと音がする」「グラグラしている雨樋がある」という場合は気づいた段階で、できるだけ早めに修理業者に相談をしましょう。
当社、『住まい修繕本舗さいたま』はお住まいの小さな修理や大きな交換工事など、さいたま市を中心に地域密着で幅広く承っています。
雨樋の施工実績も多く、清掃・修理・交換も行っていますので安心してお任せください。
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