棟板金の釘浮きを放置すると雨漏りに!原因や修理方法、費用相場、業者の選び方


お住まいの中で劣化しやすい部分の一つに棟板金(むねばんきん)があるのをご存知でしょうか。
棟板金はスレート屋根(カラーベスト、コロニアルとも呼ばれます)、金属屋根などの頂上部分を覆う金属製の部材で、雨水の浸入を防ぐ役割を担っています。
しかし、経年劣化により棟板金を留めている釘が浮いてくるため、放置すると雨漏りや棟板金の飛散といった深刻なトラブルにつながります。
この記事では棟板金を留めている釘の浮きが発生する原因から、適切なメンテナンス方法と実施すべき時期、気になる費用相場、そして業者の選び方まで、棟板金に焦点を当てて詳しく解説します。
雨漏りなどのトラブルを避けて安心してお過ごしいただくためにも、ぜひ最後までご覧ください。
棟板金(むねばんきん)とは?
まずは棟板金とは何なのか、どのような役割を担っているかを詳しく解説します。
棟板金は屋根の頂上に被せてあるカバー


棟板金(むねばんきん)はスレート屋根や金属屋根の頂上部分、つまり屋根の面と面が交わる「棟(むね)」と呼ばれる箇所に設置される金属製のカバーです。
一般的に棟板金はガルバリウム鋼板やトタンなどの素材が使用されています。
また、内部には貫板(ぬきいた)という木製または樹脂製の下地材があり、この貫板に釘やビスで棟板金が固定されています。
棟板金が担っているお住まいの役割
屋根の頂上を守っている棟板金には、主に以下の役割があります。
防水機能:屋根の頂上にある接合部分から雨水が浸入するのを防ぎます。棟部分は遮るものがなく雨水が直接当たる箇所であり、もし棟板金がなければ、すぐに雨漏りが起こります。
美観の維持:屋根の仕上げとして建物全体の外観を整える役割も担っています。
屋根材の保護:屋根材の端部を覆い、風による損傷や劣化から守ります。
このように棟板金は屋根全体、ひいてはお住まい全体の耐久性を左右する部材であり、劣化を防止するメンテナンスが欠かせません。
棟板金が浮く原因
棟板金は年月が経過すると、固定している釘やビスが浮いて、やがて棟板金自体も浮いてきます。
その主な4つの原因について解説します。
温度変化による膨張と収縮


棟板金を留めている釘が浮く最も大きな原因は熱膨張という現象による金属の熱膨張と収縮です。
日中の直射日光により棟板金は高温になり、夜間は冷えて収縮します。
この繰り返しによって釘を固定している穴が徐々に広がり、釘が浮いてきます。
特に夏場は屋根の表面温度が70度を超えることもあり、金属の膨張率は大きくなります。
この温度変化は年間を通じて何千回も繰り返され、10年程度で釘の浮きが顕著になることが多いです。
貫板(下地材)の劣化


棟板金を支える貫板(ぬきいた)は多くの場合木材が使用されています。
木材の貫板は劣化や湿気により腐食し、釘を保持する力が弱まります。
貫板が劣化すると釘がしっかりと固定できなくなり、浮きが発生しやすくなります。
近年では耐久性の高い樹脂製の貫板も使用されていますが、既存の住宅では木製の貫板が使われているケースがほとんどです。
施工不良


新築時や前回のメンテナンス時の施工に問題があった場合も、釘の浮きが早期に発生する原因となります。
釘の打ち込みが浅かった場合や適切な間隔で固定されていない場合、通常よりも早く釘が浮いてくることがあります。
強風の影響


台風や強風時には棟板金が繰り返し風圧を受けます。
この力により釘が少しずつ引き抜かれる方向に動き、浮きが進行します。
沿岸部や高台など風の強い地域では、釘の浮きが特に進行しやすい傾向にあります。
棟板金が浮いた状態を放置するとどうなる?


棟板金の釘が浮き、さらに棟板金が浮いた状態はできるだけ早めの工事が必要です。
もし放置してしまった場合に考えられるリスクは以下の通りです。
雨漏りが発生する
釘が浮くと棟板金と屋根材の間に隙間ができ、この隙間から雨水が浸入します。
初期段階では小さな隙間でも時間の経過とともに拡大し、やがて室内への雨漏りにつながります。
雨漏りは天井のシミや壁の腐食を引き起こし、修理費用が高額になる可能性があるため、もし「雨漏りかな?」と思ったら早めに専門業者に相談をしましょう。
棟板金の飛散
釘の浮きが進行して棟板金自体が固定力を失うと、強風時に飛散する危険性があります。
飛散した棟板金は近隣のお住まいや車両、通行人に被害を与える可能性があり、損害賠償責任が発生することもあります。
実際、台風の際には棟板金の飛散事故が多数報告されています。
棟板金のメンテナンス時期
棟板金は定期的に点検を行い、必要に応じて修理や交換が必要です。
ここでは、メンテナンスを行う時期について解説します。
新築から、または前回のメンテナンスから約10年


棟板金は一般的に10年程度でメンテナンス時期がくると言われています。
その頃を過ぎたら特に異変を感じない場合でも、釘が浮いている可能性があるので、専門業者に点検をご依頼されることをおすすめします。
早急な対応が必要なサイン


早期に異常を発見できれば軽微な補修で済み、費用も抑えられます。
以下のような症状が見られた場合は、すぐに専門業者に相談しましょう。
・棟板金が浮いているのが目視で確認できる
・強風時に屋根から異音がする
・天井や壁に雨染みが発生している
・棟板金にサビや変形が見られる
・台風や強風の後
メンテナンスに向いている季節がある


メンテナンス作業は、できるだけ晴天が続く時期に行うことが望ましいです。
梅雨時期や台風シーズンはスケジュールが延期する可能性があるため避け、春や秋に実施するのが理想的です。
ただし、雨漏りが起こっている場合など緊急性が高い場合は時期を待たずに早めに工事を依頼しましょう。
棟板金の修理方法と費用相場
棟板金に釘や棟板金の浮き、貫板の腐食、雨漏りなどが起こっている場合は以下のような修理・交換が必要です。
ここでは修理方法と費用相場について紹介します。
費用は施工面積や使用材料によって変動するため、あくまで参考程度になさってください。
釘やビスの打ち直し・シーリング


釘打ち直しの費用相場:約3~8万円
釘の浮きが見られる場合は打ち直しが必要で、工期は約半日~1日程度で終わります。
作業内容はシンプルですが、足場が必要な場合や屋根の勾配がきつい場合は費用が高くなります。
また、今後の釘の浮き防止のために釘頭にシーリング材を充填してもらえると安心です。
シーリング材はゴム製の樹脂でできている材料で気密性が高く、動きに対して追従する効果もあります。
棟板金交換


棟板金交換の費用相場:約5~30万円
貫板の交換も行う場合の費用相場:約7~36万円
棟板金を交換する場合の費用相場は1mあたり約5,000円~10,000円です。
貫板の交換も必要な場合の費用相場は1mあたり約7,000~12,000円です。
雨漏りが起こっている、貫板が腐食している場合は貫板の交換も依頼しましょう。
棟板金の素材や貫板の素材によっても費用が変わります。
現在、棟板金はガルバリウム鋼板製のものが主流です。
貫板は木製が選ばれることも多いですが、より耐久性の高い樹脂製のものは木製のものより約1~2割高くなります。
\住まい修繕本舗さいたまが行った棟板金・貫板交換事例/


屋根塗装


屋根塗装の費用相場:約40~90万円
棟板金に色褪せやサビが見られる場合は塗装をし、サビを防止することをおすすめします。
サビは1度発生すると自然に治ることは決して無く、放置すれば穴空きなどが起こって雨漏りを起こすからです。
また、スレート屋根や金属屋根は定期的に塗装をして防水効果を回復させる必要があります。
棟板金の塗装が劣化している場合は屋根材自体に施されている塗装も劣化している可能性が高く、その場合は同時に塗装をしてもらいましょう。
依頼する業者によって費用や工事内容は変わります!


「棟板金のメンテナンスはどこの業者に依頼しても同じ」ではありません。
お医者さんと一緒で、修理業者によって費用だけでなく、提案する修理内容も異なるので注意が必要です。
特に外装工事においては必要のない工事を提案したり、法外な費用を請求するような悪徳業者も存在します。
トラブルに巻き込まれないよう、業者に依頼する際は以下のポイントをチェックしてみてください。
大手ハウスメーカーより自社施工店がおすすめ


「大手ハウスメーカーの方が安心できそう」というご意見もあると思いますが、実際に施工をするのは下請けや孫請けの業者であることがほとんどです。
そうなると中間マージンという余計な費用をお施主様が負担しなければなりません。
自社の職人が対応してくれる業者なら中間マージンをカットできるので低価格で施工をしてくれるでしょう。
施工実績を確認する


悪質業者や手抜き業者は見せられる施工実績が無い、または少ない可能性が高いです。
実際の施工例を見せてもらったり、ホームページに掲載されているか確認をしましょう。
ご自宅の状態と同じような施工事例があれば、どのような仕上がりにしてくれるか参考にもなります。
地域密着店なら困った時も安心


「全国どこでも」という業者も多い中、地域に根差した地域密着店もあります。
そのエリアに限定して施工をする修理業者はお施主様との距離が近いのが特徴です。
また、地元の気候や環境に精通していることから地域特有の課題を理解し、ベストな施工方法を選ぶことができます。
台風や雨漏りなど、急なトラブルにも場所が近ければ、すぐに駆けつけてくれるので困った時も安心です。
屋根のことなら『住まい修繕本舗さいたま』へ!


棟板金の浮きは多くのお住まいで発生する一般的な現象ですが、放置すると雨漏りや棟板金の飛散といった深刻なトラブルにつながります。
新築や前回のメンテナンスから10年以上経っている場合は地元の修理業者に点検を依頼し、必要に応じてメンテナンスを行うことをおすすめします。
ただ、中には点検と言って屋根をわざと踏み割ってしまうようなトラブルも消費者センターには報告されています。
他にも相場より費用が高い、修理をしたことで事態が悪化したというようなケースもあるため、業者選びは慎重に行いましょう。
当社、『住まい修繕本舗さいたま』は、さいたま市を中心に地域密着で活動しているお住まいのプロフェッショナル集団です。
屋根の修理や雨漏り対策をはじめ、外壁の補修、部分的な修理など幅広く承っています。
点検ではドローンを使って屋根に登らずに細かな部分を調査することも可能です。
「これくらいで頼んでいいのかな?」という小さな気づきこそ、当店にご相談いただけますと幸いです。
\ご相談・点検・お見積もりは無料です!/








