ゲリラ豪雨・雹被害など、自然災害による修繕工事と費用相場|火災保険の申請方法も解説


近年、ゲリラ豪雨や雹(ひょう)による被害が増加しており、お住まいの外装修繕工事が必要になるケースが急増しています。
私たちが住む埼玉県内においても、大きな被害をもたらしている気象災害のTOP3は大雨・雷・雹(ひょう)による被害と言われています。
ゲリラ豪雨は7月~8月、雹被害は5月~8月上旬と9月~10月が多く、当社にも修繕工事のご依頼が増える時期です。
今回はゲリラ豪雨や雹被害の自然災害による修繕工事に焦点を当て、特に多い被害と必要な工事内容について詳しく紹介します。
火災保険の利用についても併せて紹介しますので、自然災害による被害にお困りの際は参考になさってください。
屋根の工事内容と費用相場
お住まいの中でも最も雨や雹の被害を受ける場所が屋根です。
まずは被害を受けている可能性が最も高い、屋根について屋根材別に被害内容と工事内容、費用相場をまとめました。
瓦屋根の修繕工事


| 必要な工事内容 | 費用相場(30坪戸建て) | 補足 | |
| 瓦の割れ | 部分差し替え工事 | 約1~10万円/1枚 (足場代別途) | 同じ瓦が廃盤になっている場合、似た瓦を加工するため費用が上がる |
| 漆喰の剥がれ | 漆喰詰め直し工事 | 約2,500~5,500/m (足場代別途) | 漆喰の剥がれによって瓦のズレが生じている場合は葺き直し工事なども必要。 |
| 瓦のズレ ルーフィングの破損 | 葺き直し工事 | 約70~90万円 | 野地板張りが必要な場合は約20万円ほどかかる |
| 広範囲の破損 | 葺き替え工事 | 約80~250万円 | 葺き替える屋根材によって費用は大きく変動する |
瓦屋根は被害の程度に応じて部分補修、または全面改修を行います。
瓦が数枚割れている程度であれば、部分差し替えで問題ありませんが、その下のルーフィングも破損している場合は葺き直し工事も必要です。
複数枚の瓦が割れている場合や瓦屋根の寿命が近い場合は全面葺き替えをおすすめします。
スレート屋根(カラーベスト、コロニアル)・金属屋根の修繕工事


| 必要な工事内容 | 費用相場(30坪戸建て) | 補足 | |
| 棟板金と貫板の腐食 | 棟板金の交換 | 約20~40万円 | 木製の貫板より樹脂製の貫板の方が高価だが耐久性は高い |
| 部分的な欠け | 部分補修、差し替え工事 | 約2~5万円/箇所 (足場代別途) | 欠けている屋根材が見つかり、再利用できる場合は部分補修可能 |
| 小さな穴空き(金属屋根) | 部分補修 | 約1~5万円/箇所 (足場代別途) | 大きな穴空きは部分的な張り替えや全面改修 |
| 広範囲の破損、雨漏り | 屋根カバー工法 | 約80~180万円 | 新しい屋根材によって費用は大きく変動する |
| 葺き替え工事 | 約90~200万円 |
スレート屋根の頂上には必ず棟板金があり、ゲリラ豪雨や雹被害ではこの部分が破損・飛散するケースが多いです。
すぐに棟板金の破損や飛散に気が付くことができればいいのですが、あまり見る機会がないため、ほとんどの場合は棟板金の下地である貫板やルーフィングまで腐食しています。
スレート屋根は瓦屋根と違って一旦撤去して戻す、という工事ができないため、ルーフィングまで破損している場合は屋根カバー工法、または葺き替え工事が必要です。
屋根カバー工法は既存の屋根材を撤去せずに残し、新しい屋根材を上からカバーする工事です。
葺き替え工事は既存の屋根材を撤去し、新しい屋根材に交換します。
外壁の工事内容と費用相場


屋根に比べて外壁は被害に気が付きやすいので、ゲリラ豪雨や雹が降った後には外壁をチェックし、気になる部分を見つけたら早めに業者に相談をしましょう。
よくある被害と工事内容、費用相場は以下の通りです。
| 必要な工事内容 | 費用相場(30坪戸建て) | 補足 | |
| シーリングの劣化 | シーリング打ち替え | 約900~1,200円/m (足場代別途) | 既存のシーリングを撤去し、新しく打ち替える |
| シーリング増し打ち | 約500~900円/m (足場代別途) | 既存のシーリングの上から、新しいシーリング材を充填する | |
| 外壁のひび割れ、傷 | 部分補修 | 約1~10万円/箇所 (足場代別途) | 幅が広く深いほど費用が上がる 再発防止のため、塗装工事が必要なケースも多い |
| サイディングの部分的な破損 | サイディング部分張り替え | 約5,000~9,000円/㎡ | 張り替える外壁材によって費用は大きく変動する |
| 広範囲の破損 | カバー工法(重ね張り工事) | 約110~220万円 | 新しい外壁材によって費用は大きく変動する |
| 張り替え工事 | 約150~300万円 |
外壁はひび割れや破損で隙間が生じると、そこから雨水が浸透し、建物を内部から傷める恐れがあります。
また、「雨漏りは屋根から」と思われがちですが、外壁から起こることも少なくありません。
金属外壁の場合は小さな傷からサビが起こり、穴空き、雨漏りと被害が広がっていく恐れがありますので、気づいたら早めに補修を依頼しましょう。
また、外壁は塗装によって保護されているものが多く、表面塗装が劣化すると防水性能が低下してゲリラ豪雨時に雨水が浸入しやすくなります。
外壁塗装によって防水性能を回復できるため、約10年に1度を目安に外壁塗装を行うことをおすすめします。
雨樋の被害と工事内容


屋根に降った雨水を下水や地面へ誘導する雨樋ですが、ゲリラ豪雨や雹被害で不具合が生じることが非常に多い部材です。
| 必要な工事内容 | 費用相場(30坪戸建て) | 補足 | |
| 詰まり | 詰まりの除去、清掃 | 約1~3万円 | 大きな木が近くにある場合は特に落ち葉で詰まりやすい |
| 固定金具の緩み | 部分補修 | 約1~5万円/箇所 | 金具が破損している場合は交換となり、費用が若干上がる |
| 破損・変形 | 部分交換 | 約3~10万円 (足場代別途) | 長さや材質ごとに価格差がある |
| 全交換 | 約15~60万円 |
雨樋の不具合は雨が降ってボタボタと途中から雨水が落ちるようであれば、不具合が生じている可能性があります。
詰まりや金具の緩みも放っておけば破損や変形につながるので、早めに修繕をしましょう。
火災保険で修繕工事ができる?


火災保険と聞くと「火事の時に利用できる保険」という印象が強いかもしれませんが、自然災害による被害もカバーできる場合がほとんどです。
一般的な火災保険には以下のような補償が含まれています。
上記のうち、ゲリラ豪雨や雹による被害は風災や水災の補償対象となるケースが多いです。
実際に適用されるかどうかは被害の内容やご加入されているプランにもよって異なりますので、保険証券や保険会社に連絡をして確認しましょう。
ゲリラ豪雨・雹被害で火災保険が適用されないケース
ゲリラ豪雨や雹などの自然災害後でも、以下のケースの場合は火災保険は適用されませんので、状況と照らし合わせてみてください。
・経年劣化:建物の老朽化、メンテナンス不足による破損や雨漏り。
・施工不良:原因が災害ではなく、施工の時点から問題があったと判断された場合。
・免責金額以下の被害:工事費用が免責金額(自己負担額)を下回る場合は保険金は支払われません。
・水災補償未加入:水災補償がオプションであり、未加入の場合。
・原因不明の雨漏り:原因が特定できない場合は経年劣化とみなされることが多い。
火災保険を使った修繕の流れ


自然災害で火災保険を申請する場合、一般的には以下の流れで手続きを行います。
自然災害による被害が発生したら、以下の内容を記録してください。
- 被害発生日時
- 被害箇所の写真(複数の角度から)
- 被害の詳細(どのような状態か)
- 被害範囲の測定
被害を確認したら、できるだけ早く保険会社に連絡しましょう。
なお、被害から3年を経過すると申請できなくなるのでご注意ください。
保険会社への連絡と並行して、信頼できる修繕業者に見積もりを依頼します。
見積書は保険金請求の重要な資料となりますので大切に保管してください。
保険会社から送られてくる請求書類に必要事項を記入します。
不備があると保険金の支払いが遅くなったり、保険金を受け取れなかったりする可能性があります。
提出を求められている書類に不足がないか、記載内容に不備がないか、しっかりと確認をしましょう。
保険会社が提出された書類をもとに被害状況を確認します。
被害が大きい場合や内容によっては、保険会社の調査員(損害調査会社)が現地調査に訪れることがあります。
調査完了後、保険会社から支払われる保険金額が通知され、指定した口座に保険金が振り込まれます。
保険金を受け取ったら見積もりを依頼した業者と契約し、修繕工事を開始しましょう。
自然災害後のリフォーム詐欺にご注意を!


自然災害の後はリフォーム詐欺による被害が急増するのをご存知でしょうか。
被災者の不安や焦り・リフォーム業者が多忙になって手薄になる・周りで修繕工事をしている家が多いなどの状況を逆手に取り、巧みな話術で契約を迫ります。
悪徳なリフォーム業者の手口を以下に紹介します。思い当たることがあれば契約せず、必ず第三者にご相談ください。
・即日の契約を迫る
悪徳業者は他社に相談したり、調べられたりするのを嫌います。考える余地を与えないよう「今すぐ契約した方がいい」と契約を迫ってきます。優良な業者なら検討する時間を与えてくれるので契約しないようご注意ください。
・大幅な値引き
「今日契約してくれたら半額」「20万円ほどする足場代を無料に」と、大幅に値引きをしてお得に、かつ良い業者と思わせる手口です。これはよくあるセールストークで信ぴょう性はないと言えます。
・火災保険を利用した詐欺
火災保険が適用されるかどうかは保険会社の判断によるものにも関わらず、リフォーム業者が「これなら火災保険を使って無料で工事ができます」と言い切って契約をし、後でトラブルになるケースが多発しています。例えば、火災保険の対象とはならない経年劣化と知っておきながら保険の利用を勧めてくる業者も存在します。
修繕工事なら『住まい修繕本舗さいたま』にお任せを!


ゲリラ豪雨と雹は予測が困難で、建物に深刻な被害を与える自然現象ですが、被害を放置すると深刻な二次被害につながる恐れがあります。
災害を受けた際はできるだけ早めに専門業者に調査を依頼し、状況に合わせた修繕工事を行えば被害を最小限に食い止めることができます。
また、火災保険の風災・雹災補償を確認し、活用することで、経済的負担を軽減できます。
申請したからといって保険料が上がることはありませんので、積極的に活用しましょう。
当社、『住まい修繕本舗さいたま』は自然災害の修繕工事の実績が多く、火災保険申請のサポートも行ってまいりました。
これまで培ってきた経験や知識を活かし、お客様が安心してお過ごしいただけるよう努めさせていただければ幸いです。
ご相談や調査、見積もりは無料で行っていますので、まずはお気軽にお問合せください。
専門知識を持ったスタッフが親切・丁寧にご案内いたします。







